130301ceremony

先日、わたくしが非常勤講師をしている京都芸術デザイン専門学校の卒業式がありました。

この学校で講師を昨年からさせて頂いているのですが、私自身いろいろ学ばせていただいています。

「与えるというのは本当は何かを受け取っている。」とはどうやら真実のようです。

お天気は少しどんよりした曇り空でしたが、みんな晴れやかな笑顔で卒業式を迎えていたのが印象的です。

「卒業とは何か?」京都芸術大学の副学長が祝辞の中で触れていたのですが、わたし自信も拝聴しながら問いていました。

私が通ったイタリアの大学では日本ような式典はありません。入学式もです。試験がパスした時点で卒業なので、卒業時期は人それぞれです。

イタリア語で卒業は、Laurea (ラウレア) といいます。ラウレアとは、国王や詩人、芸術家に授与される月桂冠を指します。大学を卒業するというのは、月桂冠を授かるほどの栄誉や、名誉という意味があるのです。

日本とは違い、理系大学は5年というのが一般的なイタリアの教育制度。そのような背景もあり、イタリアで大学を卒業するとDottore (ドットーレ=ドクター) という称号で呼ばれるようになり、社会的な地位もあがります。それほど卒業とは大きな節目なのです。それは、教育制度や文化が違えど、日本も同じなのではないでしょうか。

卒業と同時に新たな出発であり、大きな人生の節目を多くの生徒が迎えたわけです。今回卒業した生徒が入学したのは、2年前、ちょうど東日本大震災が起こった直後ということになります。日本が全体的に沈んだムードの中、学業がスタートしたわけです。社会的な世相を彼ら彼女達がどこかで感じ取り、それらの事象を彼らの中で発酵しながら今後の創作活動になんらかの影響を残していくのだろうと思います。

明日から新たな出発をする生徒達の多くは、もはや学生ではなくなり、社会人。どれくらいの事を伝えてあげることができたのかわかりませんが、明るい未来を、人が笑顔でいられるような社会を構築してくれる一員として羽ばたいてほしいと思います。

おめでとう。そして、ありがとう。

みんな、いい顔してました。

130302flower

コメントを残す