ここ最近、異常気象現象が増加してきているように思います。
最近のものだけでも下記のようなものがざっとあげられます。
- テムズ川流域の洪水 (afpbb.com)
- 北米の寒波 (すでにWikipediaにページができています、英語)
- オーストラリアで真夏に大雪 (news.com.au)
- アルゼンチン猛暑による水電力の供給停止による非常事態宣言 (euronews.com)
- ボトルも溶ける酷暑 全豪オープン (cnn.co.jp)
気象庁のサイトには世界の異常気象がビジュアルで見る事ができます。
これを見ると、世界各国でなんらかの異常が発生しているのがわかります。
画像をクリックすると気象庁のサイトにリンクします。
年々多発する異常気象と経済・産業の成長の間には大きなジレンマが生じていますが、最近読んだ本「貨幣進化論」岩村 充著に非常に面白いことが書いてありました。
:::::::::::::::::::::::
長い人類史を通じてみてみると経済というものは変動こそすれ、基本的には成長をしない時代の方がはるかに長かった。
世界が、とりわけ西ヨーロッパ世界が成長の時代に入るのは、早く見積もって18世紀の終わり、手堅く見積もれば19世紀のはじめ頃から。
それまでは、ゼロ成長の時代が自然な感覚だった。
:::::::::::::::::::::::
これは、2千年というタイムスパンで世界経済成長を眺めてやろうという壮大なプロジェクトを展開している世界的学者グループの世界史観。
プロジェクトを開始したのは、アンガス・マディソンという経済学者ですが、経済は成長するものだというシナリオに慣れきった私たちにとっては驚きというより、今が異常な時代なのかもしれないというのです。
ここ数日、株価の動きに敏感になっている世界の金融市場ですが、右肩上がりの成長を念頭に考えられた私たちの生活基盤は、まったく意外なほど新しい現象の中で形成された異常な事であり、その時代に暮らしている私たちは、異常な感覚しか持ち得ない時代の寵児なのかもしれません。
18世紀の終わり頃からの経済成長は、産業革命や工業化がベースにありますが、その急速な成長のしわ寄せは十分体感できるくらい私たちは感じているはずです。
意外なほど新しいここ数百年の出来事のまっただ中にいる現代。
継続的な成長は、その代償も伴う・・・。
そのひとつが異常気象という形で表層化しているのではないでしょうか。